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自分が外国で生活していることを再確認する日

 

今日は一年に一度の滞在許可申請の日でした。いわゆるビザ更新です。

 

写真は役所のビザ更新待合室。多分何の変哲もない部屋に見えるでしょう。ただここの空気感は人生で味わったこともないとてつもない殺伐とした緊張感に包まれています。

 

海外生活者にとって最大の鬼門といわれるビザ更新についてちょっと書かせてくださいね。

 

まずは皆さん多分知らないであろう海外のお役所仕事について。

とんでもなく適当です、、。笑 

担当者によっては意地悪をされて追加書類を提示し続けなければならないなんてこともザラです。(海外生活者あるあるです)

担当者ガチャといわれていて、まずは担当の方が優しく穏やかな人に当たる事を願います。笑(実際はガクガクしながら待っています)

しかも待ち時間は長い時で4〜5時間待ちます。(長時間。。)

しかもしかも、担当者の気分でランダムで呼ばれていくのでずっと集中しなければなりません。番号を呼ばれて気付かなかったら後で行っても受け付けてくれません。全身全霊、待っている人々はアナウンスに耳を澄ませています。。

さぁ、、何時間も待って担当者に呼ばれ、会えたら書類を提出します。ざっと書くと、

・パスポート

・3ヶ月以内の写真

・申請書

・賃貸契約書

・家賃支払い証明

・住民票

・口座残高

・保険支払い証明

・大学在籍証明

・前年度成績証明

・無借金証明

・初回時は無犯罪証明

 

提出したあとはまた何時間も待ってokが出たら犯罪防止のために指紋採取され、お金を払ってビザが貰えます。追加書類を言われたらまた2週間後くらいにきてまた同じ流れです。

 

ここでの申請で許可がでなかったらウィーンにはこれ以上長く滞在はできず帰らなければなりません。 

許可が降りなかったら帰ったらいいじゃないかぁ、と思うかもしれませんがそうはいきません。。僕はまだ大学に在籍して沢山学びたい。芸術をもっと深めて皆さんと感動を共有したい。だから毎年この嫌な行事をクリアするために書類集めに奔走しています。

それでも許可がでなかったら帰るしかありませんが、幸せなことに僕には祖国があり、待っててくれる人がいて、家があります。

そう考えると少しは気が楽になります。

 

ではなぜ最初に殺伐とした緊張感があると書いたかというと、ビザ申請にはウィーンに滞在したいと思っている世界各国の人が来ています。(本当多岐にわたります)

その中には祖国が内戦中で家がなかったり、難民としてウィーンに来てる方が沢山います。その人達にとっては生きるか、死ぬか、本当にそのレベルで申請しにきてるんです。

 

それを想うと、今年の夏も当たり前のように日本に一時帰国し、来年二月も当たり前のように日本に帰ろうとしている自分はなんて恵まれているんだろうと思います。

 

日本であたたかく待ってくれている方々がいるからこそ、ストレスが軽減されてウィーンで勉強できている。

 

この気持ちを忘れずに、時間を無駄にせずに吸収できることはどんどん吸収していきたいと思います。そしてそれを皆様と共有できるように励みたいです。

 

常日頃から感謝を忘れずに。

 

長々と書いてしまいましたが読んでくださりありがとうございました。

 

石井琢磨

 

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コメント: 8
  • #1

    大竹千香子 (月曜日, 18 10月 2021 13:09)

    約10年間、ウィーンに住み続けるのは、本当に大変で、どれだけ辛く、悔しい思いをしたのだろうと、常々思っていましたが、1年の一度のビザ更新も、とてもしんどいものなのですね。
    私事ですが、医療専門職で、店の責任者だった時に、約1時間にわたり、指導を受けました。約1ヶ月かけて作った資料について、重箱の隅をつつくように、質問され、うまく回答出来ないと、揚げ足取りされ、人間性を否定されたような気持ちになりました。
    琢磨さんは、毎年、そんな辛い思いをしていたのですね。それでも、高い目標を持ち、ウィーンで、頑張ってる、琢磨さんには、頭が下がります。これからも、陰ながら、応援させていただきます。toi toi toi !

  • #2

    浜中喜代子 (月曜日, 18 10月 2021 14:14)

    琢磨さん、ビザの取得は大変なことですね。
    ヨーロッパは幾たびかの戦争を経て、当事国でなくても、色々の影響は受けてきていることでしょう。過去の感情のもつれなど、ないまぜになって、外国にたいする感情があると思います。
    八つ当たりされる方は大変ですね。

    そこにいくとアメリは単純なのでしょうか、私の長男一家は25年以上アメリカに居住してますが
    その手の話は一度も聞いた事がありません。

    どうぞめげずに頑張ってください。Toi toi toi !! (これはスマートで良い言葉!)

  • #3

    ゆき (月曜日, 18 10月 2021 15:09)

    貴重なお話、ありがとうございます。
    “ウィーン在住ピアニスト”であることがどれだけ大変なことなのかを知り、今まで何も考えずウィーン在住なんてすごい!と思っていた自分の無知を痛感しました。私は日本を出たことが無く、日本の正確、丁寧な対応が当たり前の中にしかいたことがありません。海外での生活は想像できないくらい大変な事も多いのだろうとは思っていましたが、そこに居るだけでも大変であること、帰る場所がある幸せ、嫌な思いをしてでもウィーンで学びたいと頑張っている琢磨さんの想いに胸の奥が締め付けられる思いになりました。
    琢磨さんがこれからも思いっきり学べるように日本から願っています。そして得たものを共有させてもらえたら嬉しいです!応援してます!!

  • #4

    マリー (月曜日, 18 10月 2021 16:20)

    今から20年以上前にパリ郊外の市役所でビザ申請をしましたが、やはり相当な時間待った挙句、自分の番号を聞き取れていなかったことに気付き、締められた窓口に泣きついたことがありました。若い女性職員が溜息をつきながら窓口を再開してくれましたが、同僚の女性と一緒に書類のひとつひとつをあげつらい、嘲り笑ってバカにして、その応対に私はひどくショックを受け、呆然と役所を後にしたのを覚えています。郊外ということもあり、やはり待合室にはアフリカ系やアラブ系、アジア系の人たちが多くいました。
    外国人であるがために、経験しなければならない辛いことはたくさんあると思います。
    でも、そのひとつひとつが琢磨さんのこれからの人生や音楽の糧となるはずですし、その時はショックでも時間が経つと「そんなこともあったなぁ」くらいの傷になりますので(経験者)、どうぞがんばってください!
    日本から応援しています。

  • #5

    ucalie (火曜日, 19 10月 2021 13:35)

    お手続き、本当にお疲れ様でした!

    初めて知ったことがとても多く、
    留学生さん達は学業以外にもがんばることが山ほどあるんですね。。。

    その書類が全てドイツ語だと想像したらホントに震えます(T T)

    ウィーンの景色が盛り込まれた美しい動画に癒されています、
    いつもありがとうございます。

    まだまだ学びたいと異国で努力されてるたくおんさんの頑張る姿に励まされています、
    遠く日本から応援しております(^ ^)

  • #6

    masako (火曜日, 19 10月 2021 14:46)

    海外で生活するのは大変ですよね。私も留学中、いろいろ経験しました。またその後のビジネスや観光での入国審査の折も、笑顔ですんなり通してくれる場合もあれば、明らかに嫌がらせとしか思えない対応をされて、ぐっと感情を抑えたりということも本当に何度もありました。でも、そういう経験も全てたくおんさんの演奏に活かされているのではないかと思います。いろんなことを包摂した素敵な演奏を、これからも楽しみにしています。

  • #7

    Surumekaleidoscope (日曜日, 24 10月 2021 10:53)

    いつも笑顔を絶やさない琢磨さんが、そのようなご苦労をされていたとは知らなかったです。ウィーンの街を歩く人々を拝見していると、ラフでフレンドリーな国民性なのかと思っていましたが、時と場所によっては理不尽に冷たい方も存在するのですね。以前話されていた人種の壁の1つでしょうか?苦難を乗り越えて芸術を学ばれ、切磋琢磨し、私たちに芸術を届けて下さる事。今まで以上にしっかりと受け止めて、キラキラした部分だけではない生身の石井琢磨さんを応援したいと感じたメッセージでした。いつも温かな光をありがとうございます!

  • #8

    明子 (月曜日, 08 11月 2021 00:22)

    いろいろな体験をされながらの生活。ご自身の努力が活かされているのが、視聴する方々の励みや癒やしにもなっています。また他者への気遣いや思いも貴方の素晴らしい演奏と活動を通して、感動を与えてくださってますよ!